トップページ > Q&A > 貸主が破産!賃貸物件から立ち退かなくてはいけないでしょうか
Q&A
<< 前のページに戻る
貸主が破産!賃貸物件から立ち退かなくてはいけないでしょうか
私は、2年前に店舗用の建物をAさんから賃借しました。ところが、貸主のAさんが破産の申立をしたらしく、「この建物は銀行の抵当(担保)に入っているから立ち退いてくれ。」と言われました。この建物は銀行から競売にかけられるようですが、私は立ち退かなくてはいけないのでしょうか。最近、店の経営も順調になりできれば立ち退きたくありません。
立ち退かなくてもよい場合があります
賃貸物件に抵当権が設定されている場合、抵当権者は高値で競落されることを望むため当該物件に他人の権利がつくことを嫌います。それに対し、賃借人は、競売以降も当該物件を継続使用したいと考えるのが通常です。そこで、このような利益対立を調整するため、法律は自己の権利を他人にも主張できるための要件、いわゆる『対抗要件』という制度を設け、その前後によって両者の利益調整を行います。通常の場合、『登記』がこれにあたりますが、建物賃貸借の場合には、賃借権の登記がなされていなくても、賃借物件が引渡されているだけで対抗要件を備えたものとされます(借地借家法31条1項)。
したがって、抵当権の登記よりも先にあなたが賃借権の登記、または建物の引き渡しを受けていた場合は、競落人に対抗することができます。この場合、競落人は従前の貸主の地位をそのまま承継しますので、原則として賃貸借関係はそのまま継続されます。
反対に、抵当権の登記の方が先であった場合は、あなたは競落人に対抗することができないので、賃借物件を退去しなければなりません。なお、あなたの場合は該当しないかもしれませんが、抵当権の登記が先であっても抵当権者の同意を得て、その旨の登記をすることによって賃借権の方が優位になる場合もあります。




